こんにちは。いきくんです。
「七夕様」を題材にしてリハモを練習するシリーズの第四回です。
第三回はこちら↓
七夕様で学ぶリハーモナイズ【第三回】どこで「動かす」かをコントロールしよう - いきいき音楽科
続きも当てはめてみよう
第一回で、「知っている曲のコード進行になんとかして当てはめてみる」という練習方法をご紹介しました。
There will never be another youのコード進行
Imaj7 | Imaj7 | VIIm7♭5 | III7(V7/VI)|
例えば「There will never be another you」という曲のコード進行に当てはめた場合。このコード進行自体は、現代のアニメソングやアイドルソングでも多用されている定番のパターンですね。
それでは、「七夕様」のメロディを、引き続き同じ曲の進行に乗せていった場合どうなるでしょうか。
VIm7 | VIm7 | Vm7 | I7(V7/IV) || IVmaj7 | ♭VII7~
こんな感じですね。
充分成立しています。
(実はThere will never be another youの後半16小節にそのまま「七夕様」を1コーラス乗せるとばっちり成立します。)
どこからどこへ行くのか
ここで第三回の内容を思い出して頂きたいのですが、
先ほどのパターンは曲の頭から数えて9小節目にサブドミナント(B♭maj7)を持ってきて、そこに目がけた「動き」(Cm7-F7-B♭maj7)を作っているわけですね。
ここからが今回の課題「同じ(似たような)方向性の色々なコード進行を探る」です。
ちょっと分かりにくい表現だと思いますが、具体的には、
5~8小節目で、(例えば)Dm7から始めて9小節目のB♭maj7を目指す他のパターンをいくつか考えてみましょう、という話です。
例えばこれは「動き」をひとつ増やしていますが、
ツーファイブではなく「F→F7→B♭maj7」と動いてサブドミナントを目指す、じゃあその手前にV7を置いてみよう、という結果のコード進行です。
もしくは、これはコード進行自体の「意味」が随分変わりますが、
ドミナントでセクションを閉じて、次のセクションをサブドミナントから始める。J-POPのBメロ→サビなんかでもよく見られるパターンです。
本来トニックを目指している「動き」の行先をサブドミナントに挿げ替えてしまっているようなパターンなので「同じ方向性」と言えるか微妙ですが、「Dm7から始まってB♭maj7に辿り着く」という条件であればクリアしています。
和声的な代理関係や同じ意味のコードではなく、「ある地点から同じところへ向かうことが出来る様々な可能性」を考えていこう、というのがリハモで大事なひとつの視点となります。
向かう先を変えてみよう
では次に、同じくVIm7から始まって、向かう先をIIIm7と設定して考えてみましょう。
そもそもIIIm7はImaj7と互換可能なコードですから、先ほどの「Gm7-C7」からそのまま行先を「Am7」にするだけでも成立しますね。
他の可能性も考えてみましょう。
僕が好きなコード進行のひとつに、VImからベースを順々に下げていく、というパターンがあります。
(実際に何を鳴らすかによってコード表記は何通りか考えられます)
こうして「Bm7♭5」に辿り着いたあと、これをセカンダリードミナントに対するIIm7♭5と見立てて、
そこから半音下のドミナントセブンス(=いわゆる裏コード)に進むと「Bm7♭5 - B♭7 - Am7」で「Am7」を目がけたツー・ファイブ(裏)・ワンが作れます。
一方、僕が実際に採用した進行は、同じく「Bm7♭5」からベースを半音下げて、「B♭m6」というサブドミナントマイナーに進むパターンです。
オリジナルでドミナント(V7)が来てメロディが「ルート」や「5th」や「13th」(や一応「7th」)の場合、そのまま「IVm6/IVm7/IVmMaj7など」に置き換えても成立する、というのは覚えておくと使えると思います。
今回の話と、前回の「どこに動きを作るか」という話を組み合わせると、ものすごくたくさんのリハモの可能性が見えてくると思います。
というわけで、今回はここまでです。
こちらの動画もよかったら併せてチェックしてくださいね!
次回、第五回は「ドミナントセブンスあれこれ」です!