こんにちは。いきくんです。
「七夕様」を題材にしてリハモを練習するシリーズの第三回です。
次回から具体的なコード進行のアイデアを紹介する予定なのですが、今回はその準備として、ちょっと回りくどいですが「前提」として押さえておきたい部分をお話しします。
第二回はこちら↓
七夕様で学ぶリハーモナイズ【第二回】ルートとメロディの度数を把握しよう - いきいき音楽科
「動き」を増やしてみよう
「七夕様」の冒頭部分に西洋音楽のコードをつけるとすれば、一般にこのようになると思います。
トニックが続き、最後にドミナント。
そして次でまたトニックに解決して進んでいきます。
リハモは、同じメロディに対して別のストーリー展開を設定しなおす行為とも言えます。
まずは最もシンプルな実例を見て頂きましょう。
今、オリジナルのコード進行の中間地点に新しく「動き」を追加しました。
これがひとつの、「ストーリー展開の設定し直し」です。
(もちろん今回はあくまでリハモの練習が目的ですから、これがオリジナルと比べてよいか悪いか、ということは脇に置いています。)
「動き」の位置を変えてみよう
さて、ではもう少し複雑にして。
冒頭部分をこのようにコード付けした場合と、
このようにコード付けした場合を比べてみましょう。
どちらも縦の響き、横のコード進行の流れともに成立していますが、両者が決定的に違うのは、動→静(解決)が置かれているポイントです。
前者は4小節目にドミナントが来ており、後に続く5小節目のトニックに向かっています。
一方で、後者は3小節目にドミナントが来ており、4小節目をトニックで一度閉じています。
同じメロディであっても、このようにどこでどのように動きを持たせるか、というのをコード進行側で変えてしまうことが出来るのです。
もちろんオリジナルの「イメージ」や、メロディが持っている力・方向性もありますが、それを踏まえたうえで活かすことも、敢えて逆行させることも自由です。
1625に乗せてみよう
もうひとつ別の例を見てみましょう。
この冒頭のメロディに対して、ダイアトニックコードで1625というシンプルなコード進行をつけてみてください。
人によってこのようにつけた方と、
このようにつけた方がいると思います(もちろんそれ以外もありです)。
これらはどちらも成立しています。同じコード進行でも、2拍チェンジなのか、1小節チェンジなのか、はたまた変則的なのか、それによって当然ストーリーの展開は変わってきます。
V7→Iだけじゃなく
最後にもう一つ。「動→静(解決)」は、ひとつの例としてはそのキーの「ドミナント」→「トニック」と言う分かりやすいものがあります。
C7→Fmaj7
が、それだけでなく、「サブドミナント」→「トニック」、「サブドミナントマイナー」→「トニック」ほか、どっちつかずなものも考えていくと様々な可能性が見えてきます。
さて、ここでいうストーリー展開の「動→静」は、決してそのキーのトニックに対するものだけではありません。
別の何かひとつのコードをターゲット(仮のトニックと言ってもいいです)とした、先ほど挙げたようなあらゆる動きも同時にコントロールしていく必要があります。
これは、D7→Gm7(IIm7)という「動き」をどのタイミングに持ってくるか、という例ですね。
さて、くれぐれも今回の話は、いくつか挙げた例のうち、
「色々ありますが、このパターンが最も良いでしょう」
というタイプのものではありません。様々な可能性を探り、自分が求めているものをより具体的に表現できるように練習しましょう、というお話です。
また、実際に試してみて「うーん、これはちょっとないかな」と思ったものも、自分の中にある求めているサウンドや、オリジナルのイメージと違う、というだけで、別の曲、別のシチュエーションでは使える可能性がある、ということも忘れてはいけません。
細分化だけじゃなく
今回はオリジナルの(ということにした)状態が、コード進行としては非常に平たいものでしたので、基本的にはそれを細分化したり、
まったく別のコード進行にする場合も細かいコードチェンジを与えましたが、逆にオリジナルがこのようなコード進行だった場合、
もちろんこれを大らかなものに変えるということもあり得ます。
さて、今回はここまでです。
次回は具体的なコード進行のパターンをいくつか紹介していきます。
こちらの動画もよかったら併せてチェックしてくださいね!
次回、第四回は「同じところを目指す色んなコード進行」