お疲れ様です! いきくんです。
今回はsus4コードに関するおもしろいお話です。
sus4コードとは
みなさんご存知の「Cメジャートライアド」がこちら。
この3度がつりあがって(転位して)4度になったものがsus4トライアドです。
完全音程のすがすがしい響きがしますね。
曲中ではよく、sus4から通常の3度への解決の動きが用いられます。
3rdと4thは共存できない?
さて、通常「C」というコードにおいて、4度の「ファ」はアボイドノートと呼ばれ、コードの響きを阻害してしまう音として知られています。
コードトーンではない音でも、たとえば「レ」などはテンション9thとしてきれいに響く音ですが、
「ファ」はテンション11thにはなり得ず、これを乗せると「♭9音程」が生まれてしまいグシャッとなります。
(もっとも、人によってはこれも許容できる場合もあるようですが。)
♭9音程は、ドミナントセブンス♭9のような場合を除いて、ほとんどの場面で避けるべきとされている音程です。
ピアノを弾くときも、管楽器のアレンジを書くときも、この音程が生まれてしまわないようボイシングに気を遣う必要があります。
テンション10th
さて、メジャートライアドから見ると、「ファ」はテンション11thとしては成立しないということでしたが、逆はどうでしょうか?
実は、ここが結構勘違いされている部分なのです。
sus4コードにおいても、4thの「ファ」と3rdの「ミ」を共存させることは出来ないと思っている人が意外と多くいるようです。
ですが、このようにsus4コードの上に「ミ」を乗せても、♭9音程は生まれません。
「ファ」と「ミ」の関係はM7(長7度)音程となります。
実際に聞いてみましょう。
はい、どうでしょう?
ちょっとクールな感じもありつつ、それでいてあたたかみもあるような、素敵な和音に聞こえませんか?
sus4コードにテンション10thを乗せることは可能なわけです。
(そもそもsus4コードは、サブドミナント「IV」の転回の形で置き換えられることがよくあるコードです。そう考えると、テンション10thは普通に「IVmaj7」ですから、使えて当然ですね。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
つい最近、譜面制作の仕事で「テンション10thを含んだsus4コード」がふんだんに使われている曲に出会ったので、
そういえばsus4コードに関する勘違いって結構あるよなあと思って記事にしてみました。
他にもこういう、パッと見ダメそうだけど実はばっちり使えるコードはたくさんあるので、また色々とご紹介していきたいと思います!