いきいき音楽科

アメリカ在住音楽家いきくんの発信基地。ジャズを中心に、音楽理論、作編曲、アニソン、音楽哲学まで幅広く惜しみなく情報をシェアしています。

メロディが思い浮かばない人に捧げるとっておきの方法

お疲れ様です! いきくんです。

作曲家、DTMer、シンガーソングライターその他いろいろの皆さんこんにちは!

 

作曲をしている、したいと思っている方で、

メロディは思い浮かぶけどコードが付けられない

コード進行は作れるけどメロディが思い浮かばない

というどちらかの壁にぶつかったことのある人は多いのではないでしょうか?

 

前者であれば音楽理論を勉強したり、ハーモニー感覚を養ったり、音楽的なレベルを正攻法で上げていくことで徐々にどんなコードをつければいいのか分かるようになりますが、

後者については「感性が磨かれるのを地道に待つ」よりももう少し現実的で、具体的な方法論がありますので、今日はそれをご紹介します。

実例もあるよ!

 

メロディが思い浮かばない人がやりがちなこと

メロディが思い浮かばないと悩んでいる人は、例えば8小節のメロディを考えるとき、本当に8小節の長さのメロディを考えてしまっていることが多いようです。

 

え? 8小節のメロディなんだから、当たり前じゃないの?

 

皆さんがカラオケで普段歌っているような曲を想像してみて下さい。

というかそもそも、カラオケで曲を歌うところを想像してみて下さい。

8小節ずっと続く休みなしのメロディがあったら、息継ぎが出来なくて苦しくなってしまいますよね?

 

メロディを作るときは、歌モノだろうと、器楽曲だろうと、ブレスをちゃんと作ってあげることが大切です。

 

……そんなことは流石にわかってるって?

いえいえ、もちろんそれだけではありません。

 

ブレスがあればいいってもんじゃない。

それでは、ここからは実例を交えながらお話ししていきましょう。

以下のような、シンプルな8小節のコード進行に、メロディをつけるとします。

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で、これは実際に僕の生徒さんが、課題として書いてくれたものです。

本人の許可を得てそのまま掲載します。

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この方はコードに対してどんな音がハマるのかよく分かっているので、使っている音自体には何の問題もありません。

ブレスのタイミングもちゃんと作ってありますね。

実際に聞いてみましょう。

どうでしょう。たしかに、コードとメロディはよく合っています。

メロディに極端な跳躍もないし、スケールやアルペジオに基づいたスムーズな音の並びになっています。

 

でも、何か正しいことを言っているのは分かるんだけど、結局のところ何が言いたかったのかよくわからない

そんな感じはしませんか?

実は、これも冒頭で言った「本当に8小節の長さのメロディ」を考えてしまっている事例に含まれるのです。

ブレスがちゃんと入れてあるにも関わらず、です。

 

短いモチーフを繰り返そう

それでは、この生徒さんの課題をもとに、僕が手直ししたものを見て頂きましょう。

 

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いやいや、「手直し」って、全然変わっとるやないかーい!

という声が聞こえてきそうですね。よく見て下さい。

最初の「ミレドシラ」と下降するアイデアをちゃんと引き継いでるでしょ?

そこだけかい! って?

はい、それが今回の記事の核心です。

そこだけでいいんです。

 

最初に書いてきてくれた課題は、8小節の間にアイデアが詰まり過ぎているのです。

手直ししたバージョンを見て下さい。

 

1番最初のアイデアを2小節のモチーフ(フレーズの最小単位のこと)にまとめ、後はそれを繰り返すだけで、ちゃんと8小節のメロディとして成立していますよね?

 

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6小節目にクライマックスのポイントを持ってきて少し発展させていますが、基本的には最初に提示した2小節のモチーフを4回繰り返しているだけなのです。

実際に聞いてみましょう。

このように、8小節のメロディを考えるとき、本当に8小節のメロディを考える必要はありません。

実際に考えるのは2小節程度の短いモチーフだけ。それをどのように繰り返し、どのように発展させるかが重要なのです。

こっちの方が、何が言いたいのかがはっきり伝わりますよね?

 

8小節のメロディを作るときは、短いモチーフを先に作って、それを繰り返したり発展させたりする

 

もちろん必ずそうしなさいという話ではありません。例外的な場面はいくらでもありますが、基本はこうです。

 

ついでに、いくつか別の例も提示しておきましょう。

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先ほどの例では、最初のモチーフを繰り返しながら、音程を変えたり、少し音をつけ足したりして8小節のメロディにしましたが、

この例では、最初のモチーフをほぼ同じまま3回繰り返し、4回目でオチをつけています。

こんな感じですね。

ちなみに、国生さゆりさんの「バレンタイン・キッス」のサビもこのパターンです(古い)。

 

3回繰り返して、4回目でオチをつけるというのは、ポップスのメロディの定番!

 

聴いてくれる人が一度に処理できる情報量は限られています

一番大事なことだけを繰り返すことで、何が言いたいのかをちゃんと伝えてあげることが重要です。

 

また、これまでの例ではモチーフが全て1拍目から始まっていましたが、

もし単調な印象を受けてしまうようであれば、1拍目を休符にしてやるだけで、かなり雰囲気が変わります。

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1拍目を休符にするだけで単調なイメージがずいぶん変わる!

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

コード進行などは理論的な勉強が出来るけれど、メロディだけは感覚でやるしかない、と思っている人がいますが、これは間違いです。

メロディはセンスと言われることがよくありますが、「究極的にはセンス」なのはメロディに限ったことではありません

逆にメロディづくりにも他と同様セオリー的な部分があるのです。

 

今回の記事が何かのお役に立ったら幸いです。

それではみなさん、楽しい作曲ライフを!