お疲れ様です! いきくんです。
ジャズのアドリブに興味のある皆さんまたまたこんにちは!
前回の記事:
……に引き続き、昔やってたアメブロで書いた中で、評判の良かった記事をこちらに再投稿します。
はじめに
前回の記事、「ジャズのアドリブが今この瞬間に出来るようになる方法教えます」は各方面から反響を頂きまして、ありがとうございます。
「え、何その記事読んでない!」というアドリブが全然出来るようにならなくてお悩みの方は是非ご一読下さい!
今回はその続きというわけではありませんが、アドリブをする上で役に立つ発想転換の方法ということで、多少前回の内容も踏まえたお話になるかと思います。
何を演奏するか
さて、皆さんはアドリブをするときにまず何を考えているでしょうか。
「どうしたらコードにあったソロが出来ますか?」
「ドミナントセブンスコードで使えるスケールを教えて下さい」
「アプローチノートの使い方を教えて下さい」
「アウトサイドなフレーズを吹くテクニックを教えて下さい」
…と、そんな質問を度々頂きます。勉強熱心で素晴らしいですね。
ところでこれらは全て、ソロで「何を演奏するか」についての質問ですね。
もちろんとても大事なことなのですが、「アドリブが思うように出来るようにならない…」とお悩みの方は、あるポイントを見逃しがちな傾向にあると僕は思っています。
それは、「どこで演奏するか」ということです。
「え、ジャズ研の部室だよ!」
「街のジャズバーでジャムセッション!」
「屋外のイベントに出ます!」
なんて声が聞こえて来そうですが、そういう意味ではありません(笑)
例えば、以下のようなコード進行でアドリブソロをとるとしましょう。
さあ、どうしますか?
まず、何を考えるでしょうか?
うーん「C」は1度のコードだからCメジャースケールでいいのかな。次の「D7」で使えるスケールは……
もしくは、「アドリブが全然出来ない」とお悩みの方だと、
えーどうしよう、何も思いつかない。いったい何を演奏したら良いんだろう……
なんて思ってしまいますよね。
そして結局何も出来ないか、デタラメに音を並べて終わる。そりゃそうです。初心者が8小節もの間を完璧な内容で乗り切れるはずがありません。
このパターンに陥ってしまう人は、この8小節、何かを演奏して埋め尽くさければいけないと考えている場合がほとんどなのです。でもちょっと待って下さい。
あなたはこの8小節、常に喋り続けなければならない訳ではありません。
アドリブソロのパートをあなたに与えられた発言の場と考えると、その間あなたは自由に間をとることが出来るし、自由に文章を区切ることが出来るし、相手の相づちを待つことだって出来るのです。
どこで演奏するか
そこで僕が提案するのは、「何を演奏するか」ということは一度後回しにして、「どこで演奏するか」だけに焦点をあててみるという練習方法です。
例えば先ほどの8小節、コードに合っているかとか、そんなことは今はどうでもいいので、ただひたすら「どこで喋って、どこで間を置くか」だけを考えて、鼻歌でソロをしてみて下さい。雰囲気で良いですよ(笑)
こんな具合に。あるいは、
こんな風に。
8小節間をどう過ごすかはあなた次第です。
まずこれを練習したうえで、「では実際にコード進行に沿って、何を演奏するかを考える」というように順番を入れ替えてみましょう。
後者の喋り方で実際に演奏してみると、
といった具合ですね。
この「実際に何を演奏するか」の部分でお悩みの方も当然いらっしゃるでしょうが、それはまた別の記事か、レッスンでお助けできればと思います。
まずは騙されたと思って今回のコンセプトに慣れてみて下さい。慣れてくれば自然と両者がほぼ同時に出来るようになってきます。
「どこで演奏するか」を決めてしまえば考えなしに8小節に突入するよりもはるかに希望が見えてきませんか?
これと同じ事を32小節のスタンダードナンバーでも練習してみましょう。
小節数が長くなると、今どこをやっているのか曖昧になってしまう時があります。
この練習では、最初から最後までしっかり曲の進行に寄り添って、自分が今どこにいるのかを把握していることが大切です。
うまくいかないときは、片方の手の人差し指で軽く指揮を振りながらやってみると良いでしょう。それだけでかなり落っこちにくくなります。
アドリブは言葉
これはよく言われる話ですが、ジャズのアドリブは言葉を喋っているのととてもよく似ています。
友達とのお酒の席で、自分ばかりが休みなく訳の分からないことを喋り続けた時、その場の空気はどうなっているでしょうか。
8小節ひたすら「何を演奏するか」だけを考えて埋め尽くしてしまうと、
「僕の名前はいきくんで愛知県で生まれたんだけどジャズをやってて今はアメリカにいるんだけど好きな食べ物はえびとカントリーマアムで昨日は雨が降ってたな高校時代は吹奏楽部だったのと海は綺麗だ」
きっと相手にはこんな風に聞こえていることでしょう。
「僕の名前はいきくんです。
アメリカに住んでいます。
ジャズをやっています。」
と、ちゃんと一文ずつ適切に区切って伝えることが大切ですね。
もちろんシーンに応じて、ちょっと長めに喋ることもあれば、周りの反応をじっくり待つ場面もあるでしょう。
接続詞を使ってみたり、ちょっとした言葉遊びのような事も出来るかも知れません。
また、実際に演奏する中で「どこで喋るか」「何を喋るか」は、周りの反応によっても変わってきます。その辺りも言葉でのお喋りと全く同じですね。
ともかく、アドリブが上手くいかないという方は、「何を演奏するか」より先に「どこで演奏するか」を考える、というのを試してみてはいかがでしょうか?
今回はここまでです。このコンセプトは、今後も折に触れて掘り下げていく予定です。
具体的には「セッションする上での実践編」、「よりバリエーション豊かな文章の組み立て方」といった内容をお話しできたらなと思っていますので、お楽しみに!
編集後記
2年前にこんな記事書いてたっけなあ(笑)
この記事はもともと前後編になっていて、今回みなさんい読んでいただいたのは「前編」です。
ただ、後編は今読んでみたら、かなり再編したい内容になっていたので、今後このブログで新しい記事として少しずつ更新していきますね!